【労働基準法】入社前から6カ月起算か?
2017/12/15
■ 採用通知後に2日間出社・・・年休付与日どう扱う

【問】

中途採用者が、半年も経たないうちに退職願を出してきました。

入社の約1ヵ月前に採用通知を交付し、2日間の事前研修を実施しています。

年休付与の条件となる「6ヵ月継続勤務の起算日」はいつになるのでしょうか。

本人は「採用通知から6ヵ月経過しているので、10日の年休を消化できる」という理解のようです。

● 事前研修の性格で通算も

【答】

常識的には「入社から6ケ月」ですが、「10日分の年休賃金」が絡んでくるので、本人も簡単には引き下がらないかもしれません。

会社としては、理論武装しておく必要があります。

年休権発生の要件は、第1に「一定期間(最初は6ヵ月)の継続勤務」、第2に「出勤率(8割)の充足」です。

継続勤務とは在籍期間を意味し、休業期間も算入されます。

「年休発生の要件として出勤率が規定されていることを考慮すれば、継続勤務は出勤を意味するものではない」と説明されています(労基法コンメンタール)。

そこで、「労働契約が成立した日から入社日前日までの期間も、休職期間に準じるのではないか」という主張が生まれてきます。

しかし、法律の文言上、継続勤務の起算点は「その雇入れの日」とされています。

雇入れの日とは「実際の就業開始日であり、労働契約成立日(例えば内定日)ではない」

という見解が示されています(荒木尚志「労働法」)。

こちらも、「年休発生要件として雇入れ日と出勤率が組み合わされて用いられている」ことが、解釈の理由として挙げられています。

それでは、ご質問のケースで「就労の開始日」はいつになるのでしょうか。

事前研修の性格によって、扱いが異なってきます。

企業内の身分の切換えは実質的な労働関係の継続とみなされるため、「定年退職者を引き続き使用している場合や臨時工を本採用する場合等は勤務年数を通算しなけれぱならない」とされています(昭63.03.14基発150号)。

事前研修について出席の強制があり、賃金も支払われていたとします。

本採用後とは異なる労働条件で有期労働契約を結ぶ形となりますが、事前研修の開始日から6ヵ月をカウントすることになります。

【雇用保険法】在宅勤務で資格喪失?
2017/12/15
■ 雇用保険の被保険者

【問】

在宅勤務の制度導入を検討しています。

雇用保険は引き続き被保険者と取り扱うのでしょうか。

個人事業主や内職とはどういった点で異なるのでしょうか。

● 「5要件」を満たす必要

【答】

いわゆる在宅勤務者は、以下の5つの要件をすべて満たしたとき、被保険者になると解されています(雇用保険業務取扱要領)。

@ 指揮監督系統が明確なこと

A 拘束時間等が明確なこと

B 各日の始業・終業時刻等の勤務時間管理が可能なこと

C 報酬が、勤務した期間または時間を基礎としていること

D 請負・委任的でないこと

在宅勤務ガイドライン(平20.07.28基発0728001号)では、在宅勤務や「モバイルワーク」などのテレワークには、雇用型と非雇用型の2類型があるとしていますが、自宅で仕事をすることだけをもって、非雇用型というわけではありません。

Dは、たとえば、事業主等との通信費用等について本人の金銭的負担がないことまたは事業主の全額負担であることが、雇用契約書、就業規則等に明示されていることを条件にしています。

【厚生年金】戦時加算適用されるか
2017/12/15
■ 船員保険の加入者

【問】

90歳を過ぎた元船員の成年後見人を受任しました。

船員の年金は「戦時加算」があったと思いますが、どのような運用がされているのでしょうか。

● 就業していた海域で決まる

【答】

船員の社会保障制度である船員保険は、船員の労働保険および社会保険の給付を総合的にカバーしていましたが、現在、厚生年金・雇用保険・労災保険の部門は統合され、医療部門と船員保険独自の給付が残っています。

「戦時加算」は厚年法上の措置で、主に太平洋戦争期間中に炭鉱等の坑内作業者や船員だった人を対象に適用されます。

当時、軍艦のみならず多くの商船や漁船が攻撃を受け、6万人を超える船員が犠牲になったといわれており、そうした過酷な業務に従事していた船員の年金に、若干の優遇措置が採られています。

戦時加算の対象になるのは、一定の海域を航行していた船員保険の加入者です。

昭和16年12月8日〜昭和18年12月31日の間に太平洋およびインド洋を航行していた船員は、この期間中に被保険者だった月数に3分の1の期間を乗じた月数を加算して、老齢厚生年金の額を算出します。

更に昭和19年1月1日〜昭和21年3月31の期間は、前記に該当する船員は被保険者だった月数の2倍、日本海と渤海を航行していた船員は1倍が加算されます。

【職業安定法】固定残業代いつ明示か
2017/12/08
■ 採用時の通知事項増える?・・・必要な記載内容も知りたい

【問】

固定残業代制を採る会社では、採用時に「関連情報を明示する」義務ができると聞きました。

割増賃金に関するトラブルが増えている昨今、会社としても前向きに対処する方針です。具体的には、労働条件通知書の記載事項が増えるのでしょうか。

どの程度の内容を明示する必要がありますか。

● 求人条件として明らかに

【答】

従業員を募集・採用する際、労働条件に関する情報は2段階に分けて示されます

第1は不特定多数を対象とする求人情報の発信(職安法5条の3)、第2は特定の採用者を対象とする労働条件の明示です(労基法15条)。

今回の改正は職安法に絡むもので、労基法の労働条件通知は直接的に関係してきません。

職安法5条の3では、ハローワーク・職業紹介事業者(同条―項)、求人者(同条2項)に対して、求人情報の明示義務を課しています。

現在、法定事項として「従事すべき業務」・「労働契約の期間」・「就業の場所」・「始・終業の時刻、残業の有無、休憩・休日」・「賃金」・「社会保険の適用」が列挙されています(4条の2)。

平成30年1月1日からは、「試用期間に関する事項」・「雇用者の氏名・名称」・「派遣労働者として雇用する場合はその旨」が追加されます。

試用期間中とその後の労働条件が異なるときは、それぞれの労働条件を示します。

「募集内容の的確な表示」に関しては指針(平11.11.17労働省告示141号)が定められています。

この指針も、平成30年1月1日から対象事業者の範囲を拡大したうえで、題名と内容の一部が変更されます(平29.06.30厚労省告示232号)。

募集内容については、次のような事項も明示するよう求めています。

@ 専門業務型・企画業務型裁量労働制により「みなし労働時間制」を採る場合はその旨

A 割増賃金の定額払制を採る場合は、固定残業代の額(計算ベースとなる労働時間数・金額)、基本給額、固定残業時間を超える場合の割増賃金の追加の支払い等

なお、今回の法整備以前から、若者雇用促進法の指針(平27.09.30厚労省告示406号)では、「青少年の募集・求人」を対象として固定残業代制の明示を規定していました。

今後は、同様の義務付けが一般募集にも広がる形になります。

【均等法】社外セクハラ対応は?
2017/12/08
■ 忘年会や二次会で被害

【問】

セクハラの対象となる「職場」ですが、社外はどこまで範囲が及ぶのでしょうか。

これから年末にかけて忘年会などを予定しています。

二次会など会社として把握しきれないこともあり心配です。

● 広く相談の対象に含む

【答】

セクハラ指針(平18.10.11厚労省告示615号)では、職場について、通常就業している場所以外の場所であっても、たとえば、取引先の事務所、取引先と打合せをするための飲食店等でも、業務を遂行する場所であれば該当するとしています。

宴会ですが、勤務時間外であっても「実質上職務の延長と考えられるものは職場に該当するが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加が強制的か任意か等を考慮」します。

ただ、「勤務時間後の宴会等においてセクハラが生じた場合等も幅広く相談の対象とすることが必要」(平28.08.20雇児発0802第1号)としています。

事業主は、セクハラ相談窓口を設け、事実関係を迅速かつ正確に確認しなければなりません(均等法11条)。

二次会だからと担当者が門前払いしたりせず、また、応対時、担当者の言動等による「二次セクハラの防止(前掲通達)にも留意が必要でしょう。

【労働基準法】児童労働等はどう規制
2017/12/08
■ 国際基準との関係

【問】

「児童労働」が世界的な問題になっていますが、日本の労働法ではどのように対応しているでしょうか。

● ILO条約に準じ年齢制限

【答】

児童労働の撤廃に向けては国際労働機関(ILO)が定めた条約があります。

また、児童労働による生産品の購入を拒絶し、啓蒙活動等を行うNGOも存在します。

「最低年齢条約(ILO第138号)」では労働が許容される最低年齢を「義務教育修了年齢後で原則15歳」とし、危険有害業務については18歳未満の労働を禁止しています。

日本の労基法56条や62・63条もこれに沿った形で定められ、義務教育修了前の児童の就労は原則禁止し、18歳未満の年少者は業務に制限を設けています。

一般的に未成年者は親権者や後見人が法定代理人になりますが、未成年者に代わり使用者と労働契約を締結することはできません(労基法58条1項)。

逆に未成年者が不利な労働契約を締結させられていると認められるときは、これを将来に向かって解除する権限があります(同条2項)。

「解除」は、最初から契約の効力がなくなる「無効」と異なり、解除前の契約関係は有効です。

条約や法令に反する労働でも既に提供した労務については使用者に賃金を全額支払う義務が生じ、未成年者は独立して賃金を請求できます(同法59条)。

【労働基準法】振替休日先行では違法?
2017/11/14
■ 直後の土曜日が労働日

【問】

機械の入替えのため、休日に作業を行う必要が生じました。

事前にスケジュールを組めるので、休日振替で対応します。

週の真ん中の水曜を休みにするとして、「直前の」日曜と入れ替える案(@)、「直後」の土曜と入れ替える案(A)が出されました。

振替休日は先に出勤させて、後に休むものと理解していましたが、逆パターンも可能なのでしょうか。

● 先に特定していれば合法・・・時間外労働の発生に注意

【問】

休日と労働日の入替えは、通常、急な仕事量の増加に対応するもので、「先に出勤させる」パターンが主体です。

しかし、お尋ねのケース(A)では、水曜日に先に休ませておいて、後から休日に出勤させる形となります。

「法的な問題がないか」と心配されていますが、振替の定義を再確認しましょう。

まず、振替自体の有効性ですが、「休日と定められた日が絶対的に労働から解放されたものかどうかについては、労働契約の内容いかんによるもの」と解されています(労基法コンメンタール)。

ですから、「就業規則に、振替を必要とする場合には休日を振り替えることができる旨」の根拠規定を設ければ、違法性の問題は生じません(昭23.04.19基収1397号)。

ただし、振替というためには、「休日を振り返る前にあらかじめ振り替えるべき日を特定して振り替える」必要があります。

休日労働を行った後にその代償として特定の労働日の労働義務を免除する」代休とは区別されます。

さらに、振替の場合は、変更後の勤務割について「4週4日の休日を確保」しなければなりません(前掲書)。

もっとも、現在は、何らかの形での週休2日制が浸透しているので、この制約が問題となるのはレア・ケースでしょう。

「振替により休日となる日」が「労働日となる日」より前に来ても、上記の要件を満たす限りは、適法な振替と認められます。

一方、代休に関しては、「休日労働の後に労働義務を免除する日」を決定するので、お尋ねでいう「逆パターン」は考えられません。

なお、今回は@Aともに「同一週内の振替(週の出勤日は同じ)」なので、割増賃金の問題は生じません。

この点も、振替と代休で扱いが異なる点です。

ただし、振替であっても、週をまたぐと割増を要すケ−スもあり得ます。

解釈例規では、「振り替えたことにより当該週の労働時間が1週間の法定労働時間を超えるときは、超えた時間については時間外労働となる」と述べています(昭22.11.27基発401号)。

振替により、週の出勤日数が増えるときは注意が必要です。

【健康保険法】被扶養者になる選択は?
2017/11/14
■ 大病患い退職するケース

【問】

大病を患い、退職を選択します。

健康保険について、「任意継続の手続きを取るか、国民健康保険に加入するか、選択が必要」といわれました。

そこで考えたのですが、妻がパートで働き始め、健保の被保険者となっています。

私は病身なのですから、妻の被扶養者になるという方法もあるのではないでしょうか。

● 生計維持関係あれば可能・・・傷手金含む「年収」で判断

【答】

ご質問者は、妻の配偶者です。

被保険者の配偶者であれば、生計維持関係にあることを条件に被扶養者になります(健保法3条7項1号)。

被保険者と同居しているときは、本人の年収が130万円(60歳以上、障害厚生年金を受けられる障害者は180万円)未満で、被保険者の年収を上回らなければ(原則は半分未満)、生計維持関係にあると認められます。

本人の年収は、通常は「前年の年収」を参考としますが、退職等により収入に変化が生じたときは、「直近」の見込み額により判断します。

「大病により退職」ということですから、健康保険の資格喪失後の継続給付(傷病手当金)を受給されるのではないでしょうか。

当面、労働の能力がないので、雇用保険の基本手当の請求はできません。

受給期間の延長手続きを取っておく必要があります(雇保法20条)。

傷病手当金は、受給開始から1年6ヵ月でストップします。

その間に、病気から回復すれば、ハローワークで求職の申込みをして基本手当を受給することになります。

ですから、退職後も、賃金以外の収入が発生します。

「年収」には、健保の傷病手当金や雇用保険の基本手当等が含まれます。

上記年収が130万円以上(60歳未満、障害厚生年金不受給)であれば、被扶養者になることはできません。

1日当たりの限度は130万円を360で除して計算するので、3612円以上だと対象から外れます。

その場合、「任意継続の手続きを取るか、国民健康保険に加入するか」の選択という結論になります。

【交通事故処理】後遺障害の賠償難しい?
2017/11/14
■ 事故当初は病院行かず

【問】

自家用車で信号待ちのとき、主婦が運転する車に追突されました。

事故当初は何でもなく、加害者と連絡先のやりとりをしただけで、警察にも病院にも行かなかったのですが、1週間くらい経って首と腰が痛くなってきました。

その後、加害者からは音沙汰がありませんが、このままだと加害者は罰せられず、また、後遺障害などの損害賠償を取ることもできないのでしょうか。

● 早期に病院や警察へ・・・連絡先の入手が前提

【答】

交通事故に遭った後、そのときは何でもなくても、しばらく日にちが経過してから症状が出てくることは珍しいことではありません。

事故直後に警察を呼ばず、病院にも行っていないようですので、このままでは人身事故扱いになっておらず、交通事故の補償を受けることはできません。

種々の症状が出てきた今、できるだけ早く病院に行って交通事故の傷害の診断書を作成してもらいましょう。

当然、治療を開始することになります。

診断書を警察に届けて人身事故扱いにしてもらわなければなりませんが、これは結構大変です。

事故から相当の期間が経過すると、警察が実況見分を行うのは難しくなり、加害者の協力が必要になってきます。

事故直後、相談者には人身の傷害も物損もなかったので、加害者は事故についてはもう終わっていると思っているのではないでしょうか。

事故の程度によっては加害者が処罰されないことも多いので、人身事故として認められて自賠責保険や任意保険による傷害の補償がしっかりと受けられるように、加害者に協力させることが大事です。

これも簡単なことではないでしょう。

ともあれ、加害者に連絡を取って現在の症状を説明し、人身事故扱いにして治療や補償が受けられるように、加害者の任意保険会社にその手続きをするように求めてください。

警察で事故について話してもらうことも必要になるでしょう。

後遺障害については、早い段階で後遺障害等級認定取得を云々するよりも、今は治療に専念することが大事です。

一番良いのは、後遺障害が残らないまま完治することです。

信号待ちで追突された事故の被害ですから、相談者の過失割合はありません。

事故に関しては絶対的に有利な立場にありますが、そのためには人身事故扱いになること、そして交通事故証明書が作成され、それを元に加害者側に損害賠償を求めていくというのがあるべき姿です。

ただ、この先、治療を続けていった結果、実際に後遺障害が残った場合は、「どうせ等級は取得できないだろう」と最初からあきらめるのではなく、等級取得に全力を尽くしましょう。

等級取得の有無によって賠償額は大きく違ってきます。

【労働安全衛生法】産業医の選任要件教えて
2017/11/14
■ 50人規模から必要と聞く

【問】

当社は従業員の増加によって産業医を選任することが必要になったと聞きました。

産業医の選任方法、その職務等についてご教授ください。

● 健康管理の研修修了を・・・法人代表者らは対象外

【答】

産業医は、事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導し、助言等を行います。

産業医の職務について、過重労働による健康障害防止対策、メンタルヘルス対策等が重要な課題となるなど状況の変化に対応してより効率的かつ効果的な職務の実施が求められていることから産業医の作業場等の巡視等の規定の改正
が行われ、本年6月1日から施行されています。

以下にお話の産業医の選任、その職務等の主な事項についてご説明します。

1 産業医の選任について

事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」といいます)を行わせなければなりません。

この政令で定める規模の事業場は、常時50人以上の労働者を使用する事業場とされています(安衛法13条、安衛令5条)。

事業者は、産業医を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任しなければならないこととされており、法人の代表者や個人事業を営む者または事業場においてその事業の実施を総括管理する者以外の者のうちから選任しなければなりません。

また、常時3,000人を超える労働者を使用する事業場にあっては、2人以上の産業医を選任しなければなりません。

常時1,000人以上の労働者を使用する事業場または次の表に掲げる業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場にあっては、その事業場に専属の産業医を選任しなければなりません(安衛則13条1項、下表)。

産業医は、安衛法13条1項に規定する労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければなりません(安衛法13条2項)。

この厚生労働省令で定める要件を備えた者として、

@ 労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者(法人に限ります)が行うものを修了した者、

A 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であって厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修したもの、

B 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの等

が定められています(安衛則14条2項)。

産業医は法人の代表者や個人事業を営む者または事業場においてその事業の実施を総括管理する者以外の者のうちから選任することとされているのは、法人の代表者や個人事業を営む者または事業場においてその事業の実施を総括管理する者が産業医を兼務した場合には、労働者の健康管理と事業経営上の利益が一致しない場合が想定され、産業医としての職務が適切に遂行されないおそれがあるからです。

表 専属の産業医を選任すべき業務

イ) 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
ロ) 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
ハ) ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
ニ) 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
ホ) 異常気圧下における業務
ヘ) さく岩機、鋲(びょう)打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務
ト) 重量物の取扱い等重激な業務
チ) ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
リ) 坑内における業務
ヌ) 深夜業を含む業務
ル) 水銀、砒(ひ)素、黄りん、弗(ふっ)化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ。石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
ヲ) 鉛、水銀、クロム、砒(ひ)素、黄りん、弗(ふっ)化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸。一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
ワ) 病原体によって汚染のおそれが著しい業務
カ) その他厚生労働大臣が定める業務

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