【健康保険料】保険料免除申出は?
2017/11/06
■ 育休2歳まで延長に

【問】

子が2歳まで育休が延長されました。

1歳6ヵ月以降、育休取得の再度の申出が必要とのことですが、社会保険料の免除も同様に手続きが必要なのでしょうか。

● 1歳6ヵ月で再提出を

【答】

育休は、原則子が1歳までですが、一定の事由に該当する場合に延長が認められています。その代表的なものとして、保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当面その実施が行われないときがあります。

2歳までの育休をするためには、あらためて申出が必要となります(育介法5条4項)。

社会保険料ですが、育児休業等をしている被保険者について、事業主が保険者等に申出をしたときは、保険料を徴収しないとあります(健保法159条)。

その期間は、育児休業等を開始した日の属する月から、終了する日の属する月の前月までです。

免除の枠としては3歳まで想定されています(育介法23条1項)。

申出書には、終了予定日を記載します(健保則135条)。

1歳までの育休、1歳6ヵ月までの育休等に分け、その都度、行うものとされていました。その申出時期に、1歳6ヵ月から2歳に達するまでの子を養育するための育児休業が追加されています(年金機構)。

【厚生年金法】「振替加算」の内容は
2017/11/06
■ 支給漏れ発覚の報道で

【問】

最近、公務員の妻に対して年金の「振替加算」が支払われていなかったという報道がありました。

自分は40代の専業主婦で、夫婦とも年金を受け取るようになるのはしばらく先の話になりますが、この「振替加算」とはどういった内容の年金なのでしょうか。

また、公務員ではなく民間企業に勤める人も対象になっているのでしょうか。

● 配偶者の加算移転したもの

【答】

振替加算(国年法昭60附則14条等)は、被用者の配偶者が受給する老齢基礎年金に加算され、従来から民間企業等に属する厚生年金の被保険者でも、公務員で共済組合の組合員でも配偶者に適用があります。

平成27年に両制度を一元化したことを機に、支給漏れが発覚したといわれています。

夫が被用者で妻が専業主婦の場合、妻の厚生年金等の加入期間が20年未満で、夫の加入期間が20年以上だと、夫の老齢厚生年金に加給年金額(厚年法44条)が加算されます。

妻が被用者で夫が専業主夫でも同様です。

被用者でない方の配偶者が65歳に達すると加給年金額は打ち切られるため、代わりに配偶者本人の老齢基礎年金に加算がされる仕組みです。

ただしこの制度は、昭和41年4月1日までに生まれた人が対象ですので、現在40代の人は振替加算を受けることはないと考えられます。

【労働基準法】弁当支給し賃金扱い・・・?
2017/10/25
■ 労組なく協約締結できず・・・「労働の対価」と認識

【問】

当社は建設業ですが、「辺鄙な場所」で長期の工事を予定しています。

近くに食事を調達する場所がないので、担当者が弁当等を用意します。

会社が費用を負担した場合、現物給与とみなされるのでしょうか。

不便な場所で働く「労働の対価」として、賃金扱いすることに異存はありません。

しかし、労働協約を結ぼうにも、当社には労働組合がありません。

どのように処理すべきでしょうか。

● 実費徴収かつ給与で配慮

【答】

賃金は通貨払いが原則で、実物給与が認められるのは次の場合に限られます(労基法24条)

@ 法令・労働協約に別段の定めがある

A 労働者の同意を得て小切手等の交付による

@に関しては、現行法上、対象となる法令は存在しないので、労働協約方式のみが可能です。

Aは、労基則で「銀行振込」「退職金の小切手払」等について定めています(7条の2)。

これ以外の方法によることは「違法であるが、賃金であるか否かは別問題」とされています(労基法コンメンタール)。

食事を現物給与で支払う場合、法律的には、労働協約を結ぶほかありません。

労働協約方式については、「少数組合の結んだ協約であっても例外の要件を満たすが、その効果は、当該組合員のみに及ぶ」とされています(荒木尚志「労働法」)。

現場従業員の中には外部労組の加入者もいるかもしれませんが、全員を対象にするのはムリそうです。

この場合、現物支給は不可能なのでしょうか。

交通の便が悪いため、現金で支払っても意味をなしません。

対策として、食事を福利厚生として取り扱う方法が考えられます。

@ 「賃金の減額を伴わない」

A 「明確な労働条件となっていない(就業規則・労働協約等に定めがない)」

B 「客観的評価額が僅少である」という3条件を満たせば、福利厚生と認められます(昭30.10.10基発644号)。

しかし、労働条件として毎日の食事提供を「保証」すれば、Aに抵触するおそれもあります。

無償ではなく、「実際費用の3分の1を超える代金を徴収」すれば、賃金として取り扱われません。

食事の選択ができない場所で働く点を考慮すれば、実費を徴収する一方、賃金額全体で「配慮する」というのも実務的な対応といえるでしょう。

【雇用保険法】求人票と異なる条件?
2017/10/25
■ 「特定受給資格者」か?

【答】

入社1年未満の者が、試用期間の延長等は求人票に記述がなかったはずといい退職を申し出てきました。

雇用契約書に規定はあります。

特定受給資格者としてほしいといいますがそのとおりなのでしょうか。

● 自己都合の退職処理も

【答】

職安法改正により、求人票等と労働条件が異なる場合の明示(職安法5条の3第3項)や、試用期間等の内容の明確化が求められることになります(平成30年1月施行)。

判例では、求人票の内容を採用後の労働条件とは別としたもの、その内容で労働契約が成立するとしたものいずれもあります。

雇用保険では、労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したとき、特定受給資格者になるとしています(雇保則36条2号)。

週休2日で採用されたにもかかわらず1ヵ月以上週休1日だったような場合が挙げられています。

これは、「被保険者が労働契約の締結に際し」事業主から明示された労働条件と、実際の労働条件を比較します(雇用保険業務取扱要領)。

直接的には求人票との比較ではないということになります。

平成25年の労働保険審査会の裁決例ですが、同種事案を自己都合退職として処理したものがあります。

【高年法】半年空白あって良い?
2017/10/25
■ 定年後に継続雇用

【問】

社員の定年を60歳と定めていますが、希望者を原則65歳まで嘱託で雇用しています。

今般社員の1人が定年を迎えますが、本人から「できれば半年充電期間をもらって、その後再雇用してもらえないか」と打診されました。

法令上要請されているのは定年を挟んで引き続き雇用する形だと思われますが、こうした運用でも問題はないでしょうか。

● 本人の希望あれば可能

【答】

65歳未満の定年を定める事業主は65歳までの雇用を確保する措置を講ずる義務がありますが、「定年の引上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の定めの廃止」のいずれかによることとされています(高年法9条)。

実際には「継続雇用制度」を採用する企業が多いようです。

継続雇用は定年後も引き続き雇用する制度ですが、再契約等の事務処理に一定期間を要する場合もあり得ます。

退職日から1日でも空白があると直ちに違反になるとはいえないものの、定年後相当期間をおいての再雇用は「継続雇用制度」とはいえない場合もあるとされています(平24.11.12職高発1112第2号)。

もっとも「高年齢者の希望」により65歳までの安定した雇用を確保する趣旨ですので、本人の希望で定年退職日の半年後に再雇用できることで選択肢が広がるのであれば、違法になる可能性は低いでしょう。

【育児介護休業】子2歳まで契約更新?
2017/10/18
■ 1年契約なら2回必要・・・保育園へ入れない状態

【問】

育児休業の期間が最長2歳まで延びるという話です。

パートであっても、「保育所の利用ができない」等の理由があれば、期間の延長を認める必要があるのでしょうか。

2歳までというと、契約期間が1年であっても、2回の契約更新が必要になりますが、実務的にはどのような対応が必要になるのでしょうか。

● 1歳半以降満了か判断

【答】

育児休業は「子が1歳に達するまで」が原則ですが、現在は「雇用継続のため特に必要と認められるときは1歳6か月」まで延長できる規定となっています(育介法5条3項)。

延長事由としては、「保育所の利用不能」「配偶者との別居(離婚・転勤)」等が列挙されています(育介則6条)。

平成29年10月1日からは、2歳までの再延長が可能となり、雇用保険の育児休業給付の支給期間も連動して延びます。

再延長の事由は、「育介則6条を準用」します(改正後の育介則6条の2)。

1年契約のパートが当初1歳までの育休を申し出て、その後、1歳6ヵ月、2歳まで延長したとして、そのプロセスをたどってみましょう。

最初に申し出た時点で、

@ 雇用期間が1年以上あり、

A 子が1歳6ヵ月に達するまでに労働契約が満了することが明らか
でなければ、育休を取得できます(育介法5条―項)。

1年契約であれば申出から数力月後に、期間満了となります。

しかし、「書面・口頭で更新しない旨明示されていて、契約期間の末日が1歳6ヵ月前」等の事情がない限り、契約満了が確実とはみなされません(「両立指針」厚労省告示509号)。

この場合、まず「現在の契約終了日を育休終了日として」申出し、契約更新後に改めて育休を申し出る形をとります(改正後の育介法5条7項)。

1歳到達前に、この手続きを1回終えた後、1歳6ヵ月、2歳までの延長を行います。

1歳6ヵ月前に2回目の更新が必要なケース、再延長後(2歳前)に2回目の更新が必要なケースの2とおりがあり得ます。

なお、1歳6ヵ月から2歳までの育休を申し出る際には、再度、「子が2歳に達するまでに労働契約が満了することが明らかか否か」をチェックする必要があります(改正後の育介法5条5項)。

考え方は、1歳6ヵ月の場合と同様です。

【徴収法】特別支給金の影響は
2017/10/18
■ メリット制で率増減

【問】

業務上怪我をして休業したとき、休業補償給付のほか特別支給金があります。

休業特別支給金は、交通事故等の損害賠償との関係では満額受給できるということですが、メリット制の影響もないのでしょうか。

● 収支率算定には含める

【答】

休業特別支給金は、労災法29条の社会復帰促進等事業として行われます。

第三者行為災害との関係では、「保険給付ではないので支給調整の対象とはならない」 (平27.04.15基発0415第13号)ということになります。

1日当たり休業給付基礎日額の2割に相当する額となっています。

6割の休業補償給付と合わせて、8割支給される仕組みです。

メリット制は、事業場ごとの災害発生率により保険料を調整する仕組みです(徴収法191条3項)。

収支率の計算においては保険料に調整率を乗じた額を分母として、療養の開始後3年を経過する日前に支給すべき事由の生じたものの額を合計した額を、収支率の計算における分子に含めることになります。

支給すべき事由の生じた保険給付・特別支給金のうち、休業補償給付・休業特別支給金に関しては、実際の支給額を算入するとしています(昭51.11.20発労徴73号、基発891号)。

【労働基準法】外出制限もできない?
2017/10/18
■ 休憩時間の自由利用

【問】

終日営業している店舗のため、従業員の昼休みは就業時間内に交替で取ってもらっています。

社外に出る時は、どこに行くか伝えてから休憩に入ってほしいと上司が伝えたところ、若い社員から「法律では休憩時間の使い方を会社が指示できないと聞いた」といわれたそうです。

干渉する意図はないのですが、把握すると違法なのでしょうか。

● 許可制が違法とは限らない

【答】

使用者には、労働時間の途中で労働者に付与する休憩時間を「自由に利用させる」義務があります(労基法34条3項)。

休憩の一斉付与(同条2項)と異なり、労使協定等でも免除できません。

休憩時間中は、労働者が使用者の指揮命令から完全に離れることが保障されますが、その目的を損なわない限り、使用者が規律保持上必要な制限を加えることは差し支えないとされています(昭22.09.13発基17号)。

自由な利用といっても、事業場に損害を与える行為まで規制できないわけではありません。

基本的に事業場内で自由に休憩を利用できる状況ならば、外出を許可制にすることも違法にならないとされています(昭23.10.309基発1575号)。

次の人が交替で休憩に入るまでに戻ってこられるか、緊急の呼出しが可能かなどを把握するためであれば、違法になる可能性は低いでしょう。

【健康保険法】随時改定の手続き不要か
2017/09/28
■ 手当増えたが時間外減少

【問】

若くして課長職に抜擢された従業員がいます。

役職手当と基本給のアップにより、通常なら随時改定の対象になるところです。

しかし、この従業員の場合、多額の時間外手当がなくなったため、昇職後、逆に賃金総額が下がる結果となりました。

随時改定の手続きは、必要ないのでしょうか。

● 2等級上昇なければ・・・非固定の変動加味される

【答】

労基法でいう管理監督者に昇職すると、労働時間規制の対象外となります。

時間外・休日労働に従事しても割増賃金を支払う必要がなくなるため、給料の逆転現象が発生するケースもあります。

標準報酬月額は、原則、1年間固定(9月〜翌年8月)ですが、報酬に「著しい高低」が生じたときは、随時改定(月変)を行う必要があります(健保法43条)。

要件は次のとおりです。

@ 固定的賃金の変動または賃金体系の変更

A 変動月以降3ヵ月の標準報酬月額平均と標準報酬月額の差が2等級以上

B 3ヵ月の支払基礎日数がすべて17日以上

お尋ねのケースでは、役職手当の加算・基本給の引上げは@に該当します。

しかし、Aの比較を行う際は、固定的賃金だけでなく非固定的賃金(残業代等)も含めた月給の総額を対象とします。

総額が2等級以上変動した場合、次の処理基準に従います。

@ 固定的賃金アップ、非固定的賃金アップの結果、2等級以上の差(上方修正)が生じた場合…随時改定に該当

A 固定的賃金アップ、非固定的賃金ダウンの結果、2等級以上の差(上方修正)が生じた場合…随時改定に該当

B 固定的賃金アップ、非固定的賃金ダウンの結果、2等級以上の差(下方修正)が生じた場合…随時改定に非該当

固定的賃金と非固定的賃金の両方が変動し、結果として「2等級以上の差」が生じなかったとき(上方1等級の差、横ばい、下方1等級の差)は、すべて随時改定の対象から除かれます。

【労働基準法】契約期間の上限を教えて
2017/09/28
■ 無期転換権が発生するか

【問】

比較的工期の長い建設工事に従事させるため、作業員を臨時的に補充するときに、当初締結する労働契約の期間は何年が限度になるのでしょうか。

5年を超えて労働契約の期間を設定すると、無期転換権が発生するということになるのでしょうか。

● 5年超える定めも可能・・・更新なければ権利なし

【答】

有期労働契約の期間に関する規定として、労働契約法17条では、使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、「必要以上に短い期間」を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならないとしています。

たとえば、ある労働者について、使用者が一定の期間にわたり使用しようとする場合には、その一定の期間において、より短期の有期労働契約を反復更新するのではなく、「その一定の期間を契約期間とする」有期労働契約を締結するよう配慮しなければならないとしています(平24.08.10基発0810第2号)。

ただし、具体的に特定の長さ以上の期間とすることまで求められているわけではありません。

具体的な期間に関して、労基法14条では、原則3年を超える期間について労働契約を締結してはならないとしています。

ただし、高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者と、満60歳以上の者については5年を上限としています。

当該条文では、「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほか」は3年(5年)という規定になっています。

たとえば、4年間で完了する土木工事においては、技師を4年間の契約で雇い入れる場合、「その事業が有期事業であることが明らかな場合であり、その事業の終期までの期間を定める契約であることが必要」(労基法コンメンタール)とされています。

この場合、「4年ないし4年半」といった定め方でもよいが、「本工事が完了するまで」というように、期間を具体的に確定しない定め方は許されない(土田道夫「労働契約法」)と解されています。

平成25年4月1日以後に開始する労働契約期間が通算して5年を超える場合、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールがあります。

なお、有期特措法等により、定年後引き続き雇用される期間等を5年に含めないことも可能です。

労働契約法18条では、同一の使用者との間で、2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超える労働者を対象としています。

一回も更新がない場合は、要件を満たすことにはならない(前掲通達)ということになります。

仮に、一の契約期間が5年を超えるとしてもその時点で権利が発生するものではありません。

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