■ 所得高額だが70歳到達
【問】
当社の嘱託従業員が、まもなく70歳に達します。
奥さんが持病でずっと通院していますが、窓口負担割合が下がるのでしょうか。
当人は高度技能の保有者で、月給は30万円を超えています。
● 夫婦なら520万円未満・・・申請により2割に
【答】
健保の被扶養者については、現物給付で家族療養費が支払われます(健保法110条)。
医療費と家族療養費の差額が、被保険者の窓口負担となります。
家族療養費は、被扶養者の年齢等に応じて下記のとおり定められています。
@ 6歳到達後の最初の3月31日の翌日以後であって70歳に達する月以前・・・70%
A 6歳到達後の最初の3月31日以前・・・80%
B 70歳到達月の翌月以降(Cの対象者を除く)・・・80%(経過措置により昭和19年4月1日以前生まれは90%)
C 現役並高齢受給者の被扶養者で、かつ70歳到達月以降・・・70%
お尋ねにある嘱託社員はまもなく70歳になるので、現役並高齢受給者に該当するか否かを判断する必要があります。
基本的には、標準報酬月額が28万円以上であれば現役並高齢受給者に該当します。
ただし、28万円以上であっても年収が次の条件を満たすときは、申請により、一般の受給者として取り扱ってもらえます。
イ 高齢受給者である被扶養者がいる場合は、被扶養者の収入を含め520万円未満
口 高齢受給者である被扶養者がいない場合は383万円未満
お尋ねの嘱託社員が70歳に達しても、奥さんが70歳未満であれば、前記@のグループに属するので、窓口負担は30%(=100%−70%)のままで変わりません。
奥さんが70歳に達し、本人(被保険者)・奥さん(被扶養者)の収入合計が520万円以上だと、被保険者ご本人が現役並高齢受給者となります。
奥さんは前記Cのグループに属するので、窓口負担は30%です。
520万円未満だと、奥さんはBに属するので、窓口負担は20%にダウンします。 |