■ 本人のみ日本で保険加入
【問】
外国人を雇用する機会が増えていますが、健保の被扶養者のことで質問があります。
本人は日本で健保加入するけれど、家族が引き続き海外に居住するという場合、日本で被扶養者申請ができるのでしょうか。
● 続柄が分かる証明書必要・・・外国語の書面は翻訳文も
【答】
外国人であっても、日本で働く際には、健康保険に加入する必要があります。
ただし、短時間勤務等で加入要件を満たさないとき、社会保障協定(健康保険関連)の対象者であるとき等は除きます。
外国人雇用管理改善指針(平19.08.03厚労省告示276号)では、「労働・社会保険に係る法令の内容および保険給付に係る請求手続き等について、雇入れ時に外国人労働者が理解できるように周知に努めること。また、法令の定めるところにより、適用手続き等必要な手続きを取ること」を要請しています。
被扶養者となるのは、次の2タイプの親族です(健保法3条7項)。
・ 被保険者の直系尊属、配偶者(事実婚含む)、子、孫および兄弟で、主としてその被保険者により生計を維持するもの
・ 被保険者の3親等内の親族で、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
居住地が日本国内か否かは、直接の要件とされていません。
被扶養者(異動)届を提出し、認定を受けることは可能で、年収(原則として本人収入130万円未満)等の基準も同じです。
しかし、日本国内と異なり、親族関係・生計維持関係の証明は簡単ではありません。
このため厚生労働省では、国内に住所を有しない被扶養者の認定に当たり必要書類等に関する解釈例規を示しています(平30.03.22保保発0322第1号)。
被保険者は、まず、被扶養者(異動)届に現況申立書を添付します。
海外居住の家族については、日本国内の公的機関で発行される戸籍謄本や家族証明等の提出は困難です。
この場合、以下の事項に関する書類も提出しますが、外国語で書かれているときは、翻訳者の署名付きの日本語翻訳文を付す必要があります。
@ 身分関係・・・続柄が確認できる公的証明書またはそれに準じる書類
A 生計維持関係
・ 収入の確認
収入があるときは公的機関・勤務先から発行された収入証明書、ないときはそれを確認できる公的証明書またはそれに準じる書類
・ 仕送り額等の確認
被保険者からの送金事実と仕送り事実について、金融機関発行の振込依頼書または振込先の通帳の写し |